抱かれた日②

部屋に入ると彼は座ってたばこに火をつけた。

テレビの野球中継を観ながらくつろぐ彼の隣に座り彼を眺める。

そばにいることが夢みたいで本人を目の前にしても二人きりで夜を迎える事が信じられない。数ヶ月前は転勤に怯えてたのに。片思いでもう会うこともないはずだったのに。その好きな人と過ごしている。

彼の上で向き合って座り思いっきり抱きしめた。恥じらいも嘘もなく「ずっとずっとこうしたかった。好きです。ほんまに1番好き。」何度も繰り返し言葉にした。その度彼はうなずいてくれた。

彼にキスをした。スイッチが入りキスが止まらない。「汗くさいから風呂入ろか?背中流してくれるやろ?」もちろん喜んで。先に彼がシャワーブースに入り、下着だけつけ私も入った。

彼はなぜか部屋もシャワーブースも電気を消しとこと真っ暗な中、身体の隅々を私の素手で洗った。…それはそれは喜んでいただきました。

次は私をと言ってくれましたが丁重にお断りして。初めては恥ずかしいです。やっぱり。

先にでた彼がバスタオルを巻いて待っている。

少し緊張した私は持参した部屋着になって彼の横に正座をした。

今から始まる甘い時間の前に彼に言わなければならない事があった。知ってしまったら抱いてもらえないかもしれない。

でも隠すことが出来ない。

私は覚悟して話し出した。