彼のいない毎日
彼と一緒に仕事をする最終日。
転勤先へ挨拶回りに行くとかで昼まえには
職場から出て行ってしまう。
でも涙は出なかった。
昨日キスをもらったこと、手を繋いで駅まで歩いたこと、次に会う約束があることで笑顔で「いってらっしゃい!」が言えた。
さみしさはあったけど。彼を見送って仕事に集中した。その日の夕方彼からメールが。
「お疲れ様!後頼んだで。がんばるんやで。
」会えない間はメール、電話をくれました。
きっと忙しいのに。彼と会えない毎日はさみしくてさみしくてしばらく出勤しては泣いてしまいました。
彼に会えたのは三週間後前回と同じコースで。
満面の笑みで現れた彼。もちろん私も。
お互いの近況報告とこれからの話を。
私がどうしたいかどうなりたいか聞いてくれた。「あなたが好きです。誰よりもあなたを思っています。私がいないと生きていけなくなるようになる。私から離れていけないようになるよ。絶対に。」
彼は笑ってたけど私は真剣。
二人だけの空間で私は彼に甘えた。
三週間振りのキス。「キス魔やな。」彼が言う。そしてまたキスをする。
優しいキス。甘いキス。長いキス。彼の声を聞き逃さないようにし、抱きついて彼の匂いを深呼吸をした。そんなことをしているとあっと言う間に帰る時間になってしまった。
次に会える日は調整してから連絡をくれるとのこと。仕方がない。
店を出て駅までの道手を繋いだ。私から強く握りしめると彼も同じようにギュッと返してくれた。その瞬間二人が始まると確信した。
彼の中で少しずつ私が特別な存在になりますように。
私は彼に抱かれたいと思うようになっていた。
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